茗溪学園保護者会

職業観セミナー取材レポート 47K(高1)

2025712日(土)

毎年、4(高1)年生の夏休み前に行われる「職業観セミナー」。

このセミナーは、保護者が講師となってそれぞれの職業について説明し、子どもたちの将来の職業選択のきっかけを作るというもの。

講師は学年メールにて募集され、基本的にはその学年の保護者が務めることになっています。今年も多数の応募があり、保護者28名に外部講師2名を加えた合計30の分科会が開かれました。

分科会に参加できるのは生徒だけ。いち保護者の視点から、生徒たちの様子や講師を引き受けた保護者の思いなどをレポートします。

職業観セミナーは、生徒の進路選択のきっかけになる大切な行事のひとつで、30年以上の伝統があるそうです。

47K学年部長の石川先生は、開催に先立ち保護者への挨拶で

「保護者の協力があってこそ続けてこられた行事なので、今年も開催できることを嬉しく思います。保護者の皆さんも、これまでの人生、決して順風満帆なことばかりではなかったはずです。そういう人間らしい一面もお話していただければと思います。生徒にとって、働くとは何か、生きるとは何か、を考えるきっかけになればと願っています」

と話されました。

 

続いてアゴラホールにて講師の紹介。生徒は、自分や同級生の保護者が講師として立っていることに興味津々な様子で、ホールには分科会への期待感とソワソワした雰囲気がありました。

ちなみに、講師への「なぜ引き受けようと思ったか?」という事前アンケートでは、

  • 自分の可能性は無限大であること、人生はものすごく楽しい!ということを伝えたい。
  • 自分の頃を振り返って、キャリアの選択肢について学ぶ機会があればよかったと思うから。
  • やりたいことをやりたいと口に出す大切さを知ってもらいたい。
  • これからの社会を支えていく皆さんの将来に、少しでも役に立つなら!

などの前向きな思いが寄せられていました。

 

分科会は50分ずつ2コマ。事前に生徒から複数の希望をとり、参加者が振り分けられています。

講師は各分科会に向け、受講生徒のアテンドで教室へ向かいました。

生徒による司会で、各教室での分科会がスタート。司会の他に、記録係、感謝状係なども決められていたようです。

みんな真剣な様子でメモをとりながら聞いていました。ときどき他の教室から笑い声が聞こえてくることもあり、どの分科会もそれぞれに盛り上がっているようでした。

講師の皆さんはそれぞれ工夫を凝らした準備をされていて、職業人としてのプロフェッショナルな姿勢と、親としての温かな思いの両方が伝わってきました。

講師からは、「時間が余ってしまうかと思ったけれど、質問が活発で少しオーバーしてしまった」「50分集中させるのはなかなか難しい」などの声が聞かれました。

生徒からは、「その職業に対してのイメージがとても限定的だったと気づいた。実際の仕事内容はとても幅広いと知りびっくりしました」「どんな仕事をしているのか知りたかったから、親が講師の分科会を選択。仕事への頑張りがわかり、改めて尊敬しました」「予想以上に興味深い内容で、勉強になった!」などのコメントがありました。

 

セミナー終了後、石川先生から

「分科会後、生徒たちは目を輝かせ興奮気味に感想を話してくれました。誰かに伝えたくなるほど刺激を受けたのだと思います。進路選択では悩むこともあるかもしれませんが、これからも子どもたちの夢を後押ししていきたいと思います」

とお話があり、セミナーは終了。講師を務めた保護者も、子どもたちからの質問の鋭さや、熱心な様子に胸を打たれた様子でした。

 

後日、講師から学校へ以下のような感想が寄せられていました。

  • 多くの質問があり、真剣に将来を考えていることが感じとれました。
  • 突然の指名でも臆せずに自分の意見や考えを話してくれて、「これぞ茗溪!」を実感しました。
  • 自分の海外経験とリンクさせて話しかけてくれた生徒もいました。
  • 興味を持ってくれたなら、連絡をいただければ実践を交えて詳しく案内しますよ!
  • 残念ながら我が子は私の分科会に参加してくれませんでしたが、生徒の皆さんのキラキラした目が本当に印象的でした。積極的な質問にも刺激を受けました!

 

[取材を担当した広報委員から]

少しずつではありましたが、セミナーを聴講でき、とてもすばらしい貴重な機会でした!

まったくの他人ではなく、自分たちの同級生の保護者が伝えることで、より身近に切実に伝わることもあると思います。セミナー後もやり取りができ、感じた疑問や質問を解消できることもいいなと感じました。

先生もおっしゃっていましたが、生徒たちの世界はネットを通じて広がっているようで、実は狭い。自分で仕事を選択できる現代でも、意識をしないとその幅は狭まってしまうんだなと実感しました。終了後、講師が控室に戻ってからも熱心に質問を続けている生徒を何人も見かけました。熱い想いのこもったセミナーを経て、子どもたちの世界はたしかに広がったと思います。今後も続いていってほしいなと思います。