茗溪学園保護者会

初めてのホームステイ受け入れ体験記

2025年6月29日から7月4日までの6日間、インドネシアからの留学生を初めて受け入れました。
「ホームステイに興味があるけど、うちでもできるのかな?」と考えている方のために、
戸惑いながらも奮闘した6日間をまとめてみました。


<我が家のプロフィール>
夫: かつて通信機器を海外に売るためのシステムエンジニアをしていたため英語は話せますが、
今はほとんど使う機会がありません。

娘(中学1年生): 近所の英会話スクールに通っていますが、
外国人と話すのは、小学校のときの先生と英会話スクールの先生くらい。

私: 学校で習った程度の英語力で、話す機会は皆無。
しかし、空き部屋を活用して「留学生を受け入れてみたい」という野望を抱いていました。


<受け入れまでの準備>
■6月 2日: 学校からホームステイ募集のメールが届き、家族会議を開催。
「前から考えていたし、応募してみる?」と応募を決めました。
私は語学学習アプリを始め、夫はオンライン英会話を申し込みました。

■6月12日: 学校から男子学生を受け入れることができるか問い合わせが。
「まあ、大丈夫でしょう!」と快諾。

■6月19日: 留学生受け入れが決定したと連絡がありました。
図書館でインドネシアのガイドブックを借り、どんな国なのかを調べることにしました。

■6月20日: 留学生のプロフィールが届きました。どんな子なのか、ドキドキワクワク。

■6月23日: ホームステイ受け入れ説明会に参加。
ホストファミリーは寝食の提供のみ、留学生の登下校は子どもと一緒、と説明を受けました。
日本語を話すものと思っていたので、「インターナショナルスクールから来るので英語は話す。
だけど、個人的に日本語を勉強していない限り話さない。」と聞き、ショックを受けました。

■6月24日: 職場の同僚に留学生の受け入れについて相談すると、
「日本の文化に触れられる体験を提供してみては」、「最近の翻訳アプリはすごいよ」
とアドバイスをもらいました。

■6月28日(前日): 説明会では「家を片付けなくても大丈夫」と言われましたが、
やはり気になってそうじをして受け入れる準備をしました。


<留学生との6日間>
1日目(6月29日)
学校へお迎えに行って初対面。
なんとか「日本の母」としてコミュニケーションをとろうとしていたら、
普段使わない脳の部分がフル回転し、頭がガンガン痛くなりました。
プロフィールに「お寿司が好き」とあったので、夜は近所のスシローへ。
翻訳アプリを駆使しながら、必死に会話しました。

2日目(6月30日)
朝食は混ぜご飯とおみそ汁、ヨーグルト。
頭痛が治らず「あと5日も乗り切れるだろうか…」と不安になりましたが、
学校から帰ってきた留学生が日本語を話してくれました。学校で日本語を習ってきたそうです。
そのおかげで、グンと気が楽になり、頭痛が治りました。
晩ごはんは親子丼とひじき煮、おみそ汁、お漬物。

3日目(7月1日)
朝食はおにぎり。海苔が食べにくそうでした。
その日の夕方、大雨でつくばエクスプレスが止まりましたが、
17時25分頃に運転が再開され、ホッとしました。
晩ごはんは豚しゃぶサラダ。
フランスには薄切り肉がないと聞いた記憶から、
海外には薄切り肉がないと思い込み、用意しましたが、
インドネシアにはあると聞き、リサーチ不足だったと反省しました。

4日目(7月2日)
朝食はハムサンド。
留学生にばかり意識が向いてしまったせいで娘が少し情緒不安定になったように感じ、
先生に相談しました。
先生から「インドネシアの生徒だけでなく、受け入れる茗溪の生徒にも同じ熱量で成長を
願っています。今お子さんが抱いている感情は、また一つ成長への一歩ではないでしょうか」
という連絡をいただき、「なんていい先生なんだ」と泣きました(私も情緒不安定)。
晩ごはんはインドネシア料理のサテに似ているかと焼鳥を用意。
あと、冷やし中華にして、好きな具材をトッピングしてもらいました。

5日目(7月3日)
朝食はたまごサンド。
夜は留学生の希望でラーメンを食べに行きました。
家に帰ってから、日本らしい体験をしてほしいと庭で花火をすることに。
留学生が花火をするたびに火花の色を日本語でつぶやいていて、
「ピンクは日本語でなんて言うの?」と聞かれたので、
「桃色だよ。桃の花の色」と教えました。
日本人もあまり言わないけど、日本らしいかなと(笑)。
その後、夫が仕事の話をし、留学生が将来の夢を語り、大いに盛り上がりました。
夫と留学生の英語が速すぎて、私はついていけませんでしたが…

6日目(7月4日)
お寝坊してきた留学生に朝食はおにぎりを用意。
夜遅くまで、私たち家族のイラストと「また会いましょう」というメッセージを添えた手紙を
書いてくれていました。
学校まで車で送ってお別れ。家に帰ると、少し寂しい気持ちになりました。

<その後>
7月9日に、留学生から「インドネシアに来ることがあったら言ってね」とメッセージが。
いつか行きたいなと思っています。


<体験してわかったこと>
・翻訳アプリは便利、でも…
 翻訳アプリでも乗り切れますが、直接コミュニケーションできた方がスムーズだと思いました。
 この反省から、今でも語学学習アプリを続けています。

・自分の子どもとのコミュニケーションも大切
 留学生への気配りに意識が向きがちですが、
 普段と違う環境にいる自分の子どもへのケアも同じくらい重要でした。

・ゲームは国境を越える
 トランプ、UNO、ジェンガなどのゲームで、言葉の壁がなくなって一気に距離が縮まりました。

・受け入れ家庭の負担は少ない
 学校から謝礼をいただき、留学生の交通費も学校が負担してくれました。
 通学時間は1時間程度でも問題ないとのことでした。

たった6日間でしたが、自宅という日常の空間が異文化交流の場へと変わり、
得られた学びと喜びは想像以上でした。
この記事を読んで、「うちもできそう」と思っていただけたら嬉しいです。

50K広報委員